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Thursday, May 24, 2007
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风の回廊>水の记忆>马头観音…25
三ツ谷の马郎(ばくろう)久八の一人娘小菊は十二歳になり 器量良しで働き者です。はやくに母亲を亡くしてたから父の 面倒と、家族同然の牡马クロの世话など甲斐甲斐しく働き ました。そんな小菊がある晩父の前で畏まって言う言叶に 父亲の久八はびっくりしました。なんとっ小菊は饲马のクロと 祝言を挙げると言うんです。その上なんとっなんとっもうすでに クロに操は捧げたと言います。あまりに気が动転した父久八は 怒りに任せて大ナタを手に取り马小屋に行ってクロの首を刎ね てしまいました。その后暂らくして、头が少しおかしくなった 小菊が可爱い男の子を産みました。谁の子供なのか分りませ んが、当时の西坂ではよくある话なので村人の话题にもなりま んでした… 时が流れ、年老いた久八がぼんやり外を眺めてます。 もう眼はほとんど见えませんが、早咲きの梅の香を唯楽しんで るふうです。そんな久八を愈すように不如帰が枝に停まり梅の芽 を忙しげに啄んだりしてました。「お爷ィちゃん、お茶~っ」 四、五歳に见える童女が久八の目の前に现れ、盆に载せた 茶碗を差し出しました。香りのいい渋いお茶です。「お爷ィちゃん、 抱っコ…」その童女の弟みたいなヨチヨチ歩きの坊主が久八の膝 の上に乗って来ました。その児の头を抚でながら、ふと后ろを振り 向くと、可爱い小娘が久八の肩を揉みながら小声で歌を口ずさん でます。「カアチャ~ン、まだ煮えないィ~?」憎らしい程元気な ガキが庭先に駆けてきて、なにか食い物をねだってます。久八は ぼんやりと思いました。(わしは今天国に来ているんだろうか?) 一人栖まいの久八爷が、家の中で手に呑み挂けの汤呑を手に したまま静かに亡くなってるのが村人に见つかり手厚く葬られました。 身寄りのない久八の家の迹に马头汉音堂が建てられたのは久八が 亡くなって随分时代が変わってからだと言います… 奇迹は风に乗り时の山を越える…
15:01
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Thursday, March 22, 2007
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风の回廊>水の记忆>鼻とり地蔵…24
昔々、田植えがはじまると、村のどの家も猫の手も借りたいほど忙しく なります。特に牛を使う田すきは、牛の引き手がいないため、皆弱って ました。そんなある日、どこからともなくひょっこり一人の小僧が现れ、 手つきも上手に牛の鼻とりをしたので田植えも顺调にすすみ、みんな大 助かりしました。小僧がどこから来てどこに帰っていくのか谁も知りま せん。不思议に思った村人が后をつけてみると、村はずれの廃寺の山门 に入っていくので、地蔵菩萨の化身だと思ったそうです。 その小僧は村长の后家さんに入ったトミの産んだ子で、ヒトに预けられて 育てられてましたが、母恋しさのあまり、村へ通うようになったのです。 村长が急の病で亡くなると、村中の者が手を合わせて、小僧にトミの养子 になってくれと頼んだので、小僧は晴れてトミの子として前より一层村の ために働きました。ところが秋の刈入れの顷、トミが身笼ったので、谁の 子供なんだと村中が大騒ぎしました。そうするとトミが、実は皆に内绪で 小僧と祝言挙げ、この子の父亲はこの人だと言うので、今更小僧を村から 追い出すわけにもいかず、小僧を若い村长として认めることにしました…
これも昔话 夏梅木の集落から少し离れた所にイリヤと呼ばれる一轩の农家がありまし た。贫しくても仲の良い亲子が暮らしてましたが、ある日母亲が病で寝込 んだので、よく効く薬草を探しに息子の久野助が山に入り、迷ってしまっ たのかそのまま帰ってきません。村人も母亲も山で死んだものと谛めまし た。しばらくして母のヨネが夜なべで縄ないの仕事をしてると、家の外の 暗闇に二つの鋭い眼光が光ってます。「きっと山狐、悪さはしないようだ から追い払うこともあるまい」と思って夜なべ仕事をつづけました。次の 夜からその狐は毎晩毎晩ヨネの家の外に通ってくるようになりました。秋 が过ぎ村里に小雪がちらつく顷、悪い水に当たったのかヨネが腹痛で寝込 むと枕元に谁が置いていったのかサイコの煎じ薬が置いてありました。そ れを呑むとたちまち好くなりました。これはきっとあの山狐が持ってきて くれたもんだと思ったヨネは、其の后毎晩家の木の下に一切れの油扬げを 置いておくようにしました。 さて白隠上人が云水のころ箱根越えの途中で道に迷ってると、山间にぽつ んと家のような明かりが见えたので一晩やっかいになろうとその家に近づ き、中を覗いてびっくりしました。まだ幼い感じの男の子と、奇丽な女が 素っ裸でマグわッてます。幼い男の子の阳根だけが异様に太く长くて、ま るで马并で、そんなモノに突かれた女は今にも死にそうな态で泣き叫んで ました。これは魔物に违いないと思った上人さまがお念仏を唱えると、び っくりした男の子が家から逃げ出しましたが、その姿は狐に见えたそうで す。女はヨネという后家さんでしたがその后三人も子供を産んだそうです… 奇迹のまどろみは里山の赤い実に宿る…
05:11
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Tuesday, March 20, 2007
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风の回廊>水の记忆>龙爪(りゅうそう)伝…23
宿场の昔々のお话です。母亲のたっての愿いに応えて、 引治三年に得度(トクド)して、小庵を建て念仏説法した 若い上人さまのおはなしです。 実は上人さんは若い顷から悪いクセがあり、女人に目があ りませんでした。百姓商家の家を廻ってはその家の女に手 をつけてました。堪り兼ねた母亲が、我が身を息子に与え、 仏门に帰依させました。上人さまが本道を创建した时、村の 皆がお内仪さんと慕っていたのが、実は実母の徳、武田信玄 の异母妹にあたる高贵な方でした…
しばらくは母の躯に満足してる风だったのですが、信景は また病の虫がはじまり夜游びを始めます。いまではそんな 息子に嫉妬心まで感じはじめた母は、なんとかして我が身 ひとつに息子の気を惹こうとあれこれ思い悩んだ末、背中に 墨を入れてしまったのです。はじめて母の裸身の刺青を见た 息子が思わず腰を抜かしてしまうほど、気迫涨る龙が背中 いっぱいに描かれていて、その上母の股间のホトの周りに 龙の鋭い爪が、何物でも握り溃そうと、待ち构えてました…
そんな妖気に挽き込まれるように、阴茎を埋めてみる信景 でしたが、すぐに「ぎょっぎょ!」となり眼を丸くし気が动転。 「は、母上!こ、これは!」 「なにか変わっているの?」 「変わってるなんてもんじゃ。鲍を中で饲ってる、いゃ…」 「竜が巻き付いて缔め付けるの?」「いゃちがぅ、蛸壶…ッ」 少し微笑んでみせた母が、両膝の角度を広げた。するとッ 母の蜜壶が歪んで、上下左右に埋まった阴茎を捻じ曲げた。 惊愕の表情で脂汗を浮かべた息子信景を见上げ、徳は満足 そうに妖艶な笑みを浮かべ、今度は真っ白く伸びた両脚を信 景の腰に回して绞めた。な、なんと、母の膣壷の襞が几千の 人の舌みたいになって阴茎に络み付いてきた。それに堪らず、 引き抜こうともがくが、母の両脚に绞め込まれ身动きできない。 その内、母の女阴の奥で髑髅を巻いていた一匹の白蛇がスル スルと亀口から侵入してきた。その顷に、信景は放心状态で、 全身から力が抜け眼は空ろ、口から涎まで垂れ流し痴呆にな ってしまってました…
そうして、信景の病はぴたっと止み、功徳に励むようになった と言われてます。林光寺ではその后、一年毎に子宝に恵まれ、 お内仪さんは子を産む度に若返ったと村で评判になりました… 奇迹は竜の巣で交わる光の矢…
06:26
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Monday, March 19, 2007
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风の回廊>水の记忆>朝雾…22
あゆが品川から宿场町の荞麦屋に嫁いできて20年が経った。 それで幸せだったかどうか、いまだに分からない。结婚してすぐ 男の子を産み、夫はほどなく外で女を作って通いだした。それが 今时の普通の夫妇なんだと言い含められ、そんな世话になった お姑も数年前お见送りした。心の拠り所だった一人息子だって 「私を舍てて」所帯を持った。実の息子とまえから秘めた関系を つづけてたから、いい嫁さんだけれども心を许すことはできない。 あゆは夜眠れなくなった。それで、夜明け前の宿场を徘徊する癖 がついた。名も知れぬ小桥をいくつも渡り、大社の森を彷徨い、町 に人の気配がする前に家に帰る。それが、今朝に限って帰り路が かわらなくなった。迷ってしまう程大きな宿场でもないのに。几度も 同じ小桥を渡ってるようだ。川面は立ち升る朝雾にせせらぎだけが 耳に烦かった…
ふっと我に返ったあゆは、白滝観音堂の前に伫んでるのに気付いた。 (アラ、なつかしい…)想い出すと、この御堂の中で実の息子と初めて 契った。戸惑う息子の目の前で帯を解き、远くに祭りのお囃子を耳に しながら、息子の着物を脱がせた。「さあ、私を女にして!」无理矢理 息子にせがんで女として抱いてもらった。あれはいつの事だったろう? 随分远い远い昔のことのようでもあり、つい最近の事にも思えた。 (どうしようか?やっぱり産もうかな?)月のものが无いのに気付いて あゆはますます思い悩むことが苦手になっていた。今なら息子の子を まだ堕ろす手立てはある。でも、意味もなく怖かった。堕ろすのも産む のも…
赛銭箱に小銭を投げ入れ、振り返ったあゆの目の前に息子が伫んでた。 「かあさん、どうして言ってくれないんだ」 「え?なにを?」 「子供の こと!」 「そんなことよりも…」と言って、あゆは息子の胸の中に身を 寄り添わせた。息子の両腕の力强い抱えに、あゆは安心して唇を合わ せる。すぐに、喉の渇きを愈すように、强く息子の舌を深々と吸った。 (ああ、うれしい…)饥えた子のように息子の舌と唾液を啜り続ける。 日の出前、いよいよ浓くなった朝雾が、境内で抱き合う母子ふたりの周り を浓く包んでいく……奇迹は夜明けに胁える、白鼻心のように…
05:03
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风の回廊>水の记忆>妻冢(さいづか)…21
宿场の町外れにひっそりと小さな祠(ほこら)があります。 これには言い伝えがあり、平家一门の大庭何某の妻が祀られ ていると言われ、源氏に縁のある家に産まれた妻が、夫が付け 狙う高贵な人の身代わりになり、爱する夫に斩り杀されたため その冥福を祈って祠が建てられた言われています。 じつのところその夫妇は亲子でもありました。いつ顷からなのか、 ふたりは母と子から、人知れず夫妇(めおと)関系になってました…
伝马町法华寺の里手でひっそりと暮らしてた亲子は、ある夏の夜 霊梦を感じて、体を合わせたのです。元服前の影亲(かげちか)は 太郎と呼ばれ、母の名を菊。ふたりはちゃんと身を清めてから床に 入りました。目的はただひとつ、宿愿を継ぐ迹取りを産むことです。 太郎を床に寝そべらすと、菊は太郎に眼を闭じてジッと耐えるよう 言い含め、月明かりの中でそっと肩から着物をおとしました。震え る手で太郎の寝巻きを解き、そっと阴茎を握ってみました。すぐに 菊の手に収まりきらぬ程そそり建って、全裸になった菊がゆっくり 太郎の腰の上に乗っていきました…
太郎は産まれて初めての血の滚りにじっと耐えていましたが、母の 言付けに叛いて、薄目を开け、母の裸身を见てしまいました。月光 射し込む中、まるで天女かと心跃る女体を见て、その感激に涙ぐみ ました。すると「厌、见ないで」と母がつぶやいたようです。そして 膨れた珍宝が、热く火照った肉壶に吸い込まれたのを感じました。 (极楽浄土かっ!)と全身を硬直させた太郎に、更なる热地狱が袭っ てきました。母がゆっくりゆっくりと豊かな腰を上下し始めました。 心臓が激しく喘ぎ、充血した珍宝は今にも张り裂けそうになります。 「いいわ、楽になりなさい」母がひどく掠れた浊声で言うのを闻き、 太郎は両手を伸ばして母の乳房をがっしりと鹫握みして、腰を持ち 上げました。っと、闭じた眼に火花が散り、体液の放出が始まります…
新しく夫妇になった亲子ですが、なかなか子宝に恵まれません。 菊はお札を集めては神棚に愿を挂けたりしますが、夏が过ぎ、もう 暮れの押し迫った顷になっても、ヤヤ児を孕んだ兆候はありません。 「バチがあたったのかしら…」「厌、母上、私のせいだと思う」 一角の若武者のような真顔になり、意を决した太郎は、身を整え、 宿愿を果たす为に、夜の待ち伏せ场所に向かいました。同时に菊も 决心してました。我が子に、これ以上罪を负わせてはならない、と。 短い月日だったけれど、菊は息子太郎によって女として幸せ过ぎた のです。(身代わりになって私が切り杀されよう。地狱に堕ちる前に …) 奇迹の予感は时の流れに身を委ねる…
04:54
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风の回廊>水の记忆>雪の朝(おゆきと喜助二)…20
外から『ボトッ』という音が耳に响き、おゆきは浅い眠りから目覚めた。 确かまだ日の出前だと言うのに、外が白々と明るい。冬の冷気に身を 缩めながら、おゆきは窓の引戸をそっと开けて戸外を覗き、『あらッ』と 惊いた。真っ白い一面の银世界。庭に植えたカンツバキが血のように 赤く咲き、雪の重みでひとつ、ふたつと落ちる。しばらく见とれてると 夜明け前の静谧な霊気に身を委ねてるのはおゆきだけでなかった。 水の枯れた桜川にコサギが一羽、じっと立っている。奇丽な冠羽が鲜や かな金色で、雪景色に眩しい…
『やぁ、雪かぁ~』と、寝床から声がかかる。おゆきは振り向いて寝床の 男と视线が合うと、あまりの耻ずかしさに、自分がどんな表情をしてるの かと不安になる。自分の腹を痛めた我が子と情を交わしてしまった。 おゆきの帰りを待ち伏せしていた喜助を家に上げ、お酒まで出してやって、 手を引かれ、抱かれると、もうとても自分が産みの亲だと言えなくなり、 気づいた时、股间を喜助の刚直に贯かれてしまっていた。恐ろしい罪の 意识に、気を失いかけながら、长い长い时间、何度も肉体を苛まれた…
『お、おゆきっ!こっ、これ、どうなってるんだっ!』 昨夜几度目かの时に、喜助が额に脂汗をにじませ、歓悦の奇声をあげた。 『え?私は、なにも?』钢のようになった刚直がおゆきの中で捻じ切られそ うだと言う。自分ではなにも感じなかった。『ぬ、抜けないよ!吸い込まれ るよ、おゆき、おゆきっ』ふっと微笑んだようだ。『な、なんで笑うんだ、頼む から力を抜いてくれ。根元が千切れそう』无意识に腰をわずかに持ち上げ た。その瞬间だった。おゆきの全身の血潮が逆流して股间に集中していく。 头の中が苍白になった。おゆき自身がなにか甲高い悲鸣を上げ、裸身が 逆海老状に反りかえった。夜叉になったんだと思った。自らの咆哮と、喜 助の悲鸣を远くに耳にしながら、おゆきは堕ちていった…まどろむ奇迹が 银色に光る
04:45
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Sunday, March 18, 2007
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风の回廊>水の记忆>天狗…19
これは中郷(なかざと)のある村に伝わる话。 ある日、村の小さな男の子が急に见えなくなりました。それで、 亲はもちろん村中が大騒ぎして探しましたが见つかりませんでした。 家族は泣く泣く葬式をしてその子の霊を吊いました。 その子は足柄山の天狗にさらわれて、毎日、马の粪を馒头だと言われ 食べされていたようです。母亲に逢いたい想いで、天狗の言いつけに 逆らってばかりいたので、怒った天狗が、その子を牛に変えてしまいま した。それでも母亲を慕う気持ちは変わらず、牛は毎晩毎晩、一晩がかり で母に逢いに、山を降りて村に通うようになりました。
日空上人が寂びれた御堂の侧を通りががると、御堂の中から异様な霊気を感じ、 覗いてみてびっくりしました。村の女衆が若い雄牛に乗っか挂られて、盛んに 交尾してたのです。若牛の吐く息と、女衆の垂れ流す涎の湿気で、狭い御堂の 中は蒸し风吕のように朦胧としてます。これは魔物が取り付いた牛だと思った 上人さまは厄除けのお数珠を握り「渇っ!」と一喝すると、惊いた若牛は女の尻 に突き刺してた长い阴茎を引き抜き、その先っぽからタラタラと妖水を垂れ流しな がら、さっさとお山へ方へ逃げて行きました。気を失ってうつ伏せになった女を助け 起こして、上人さまは二度びっくり。なんと女の下腹が风吕桶みたいに膨れていて、 今にも流産しそうな叫び声をあげます。上人さまは女の股间に両手を突き入れ、お 腹から胎児を引きずり出しました。なんと出て来た子は、女が産んだ天狗に浚われ 男の子だったという话です…奇迹は踌躇を缲り返し孕ませる
04:32
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风の回廊>水の记忆>天城峠…18
真冬の深夜、淳也は鼻をつくキナクサイ匂いに眼を开けた。 外へ出て(あっ!)となって立ち竦んだ。畑二段下の家が 真っ赤に燃え上っている。真っ暗闇の谷间、その炎上する 平屋の家が、まるで能舞台のように见え、四方の壁は消え、 天井と柱が金色の炎をあげている。そして、二头の奇怪な 『鬼』が舞を舞っている、巻き上がる激しい炎の中でだ。 空を睨む赤鬼は、口を大きく开き、その口と両目から炎を 喷き出している。 しゃがんだ青鬼のほうは、地の底を见下ろすように头を垂れ、 その背中から、大きな翼のような炎を広げている。 なにかものすごい轰音を上げて、燃え盛る屋根全体が落ちた。 势いを増した炎の中で、二头の鬼は嬉しそうに互いの视线を 络めあったように见えた。すべての情念の块を一瞬で舞った 二头の鬼が、満足げに同时に天を见上げる。燃え上る炎の先 には、二羽の黄色い蝶がひらひらと舞っていて、それが终焉 の合図のように感じられた。 炎は急激に黒烟に変わり、舞台が谷の闇と同化しはじめた。
结局、焼死んだ老夫妇の葬仪は隣组の淳也が一切取り仕切った。 彼が町役场に勤めてると言うこともあり、その上、独立して家 を出ていた老夫妇の三人の子供と、简単に连络が取れなかった。 どうにかして老夫妇の遗体の焼き场に二人の兄弟が间に合った。 両亲の最后に立ち会った淳也に、二人の兄弟はその状况を闻きた がったが、旨く説明できない。なにがあったのかを(全て理解で きた)から、尚更それを言叶で説明できないので『もう手が付け られない程燃え上ってしまっていて…』とだけ、缲り返した。 老爷は永く寝たっきりだったし、老婆も膝を病んでて独りで立ち 上がるのもやっとだった。そんな老婆が、火が上がった夫の部屋 から、激痛の走る膝に耐え、动けない夫を引き折り、长い廊下の 半ばまで引っぱって来て、力尽きる。无念だったろうか? 淳也は必ずあの二羽の蝶のことを考える。幻を见たのか?…と。 奇迹は地を奔り天空に駆け扬がる。蝶のように…
04:13
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Monday, January 29, 2007
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风の回廊>水の记忆>テラの歴史…17
これはテラの歴史 テラはアブラム、ナホル、ハランを生み、ハランはロトを生んだ。テラの一生は二百五年であった。テラはカランで死んだ…
ロトの洞窟 ソドムとゴモラを见下ろす山の洞窟。ロトの妻は振り返ったので塩の柱になった。ロトの长女は父によって身笼った。その子モアブは今日のモアブ人の先祖。妹も父の子を身笼った。その子ベン・アミは今日のアモン人の先祖…
ヨハネの福音 初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった…地狱の黙示録…これはすぐに起こるはずの事を、そのしもべに示すため、神がキリストに与えたものである。キリストはこれをヨハネに告げた。この预言のことばを心に留める人々は幸いである。时が近づいているからだ…青ざめた马…これに乗っている者の名を死といい、そのあとにハデスがつき従う。巨大なしるしが天に现れ、ひとりの女が太阳を着て、月を足の下に踏み、头に十二の星の冠をかぶっていた。この女は身笼っていたが、産みの苦しみと痛みのため、叫び声をあげた。その时、天に大きな赤い竜が现れた。七つの头と十本の角を持ち、七つの冠をかぶっている。大きな竜は彼女の産んだ子を食い尽くすために现れた。この巨大な竜、すなわち、悪魔とかサタンとか呼ばれ、世界を惑わす、あの古い蛇は地上へ投げ落とされた…奇迹は天と地の表里を走る矢…
水の记忆 闇(やみ)が大いなる水の上にあり、なにもない。霊が水の上をただ蠢(うごめ)いていた。はじまりの前…
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Sunday, January 28, 2007
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风の回廊>水の记忆>小菊の墓…16
贞亨4年の春先、播州明石の城主松平若狭守直明のお行列が宿场にさしかかったとき、幼い6歳の小菊が、大名の行列の前を横切ってしまった。それを见た家老が机転を利かせ、「犬だ、舍て置け!」と命じたが间に合わず、小菊は本阵に引かれて行き、その庭先でお手打ちになった。怒った小菊の父、尾州藩浪士尾张屋源内は、箱根西坂で待ち伏せし、殿様の笼に鉄炮を打ち込んだが目的を果たせず、自害した。最爱の夫と娘小菊を失った母小夜の悲しみはあまりにも深く、程なくして、幼い息子と伴に白装束姿で、骏豆横道を升っていくのを、村人に见られたのを最后に、宿场町から消えた…
时代は下り、仲间からも、街道沿いの百姓、商人からも信頼を受けていた云助の久助が病に倒れ、床に付していた。彼は终生、酒を爱し、酒を楽しみ、酒の中で一生を终わろうとしていた。久助の临终间じか、大势の人々が寄り集まった。「私の名は、久四郎…、…父は兄の雅明…、…母は木町の小夜…、父の怨み…母の怨み…姉小菊の怨みを、はらすために生き永らえてきた…」「…私の、亡き骸は、龙爪(りゅうそう)サンに…頼みたい…」そう皆に言い残して、云助久助が息を引取ったのは11月3日の夜、安政の大地震の前夜。翌日、宿场町と近隣の村々で千を越す家々が崩壊した…奇迹は身震いする…亲知らず地蔵尊
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Monday, January 22, 2007
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风の回廊>水の记忆>おゆきと喜助…15
奇迹はまどろむ … 15の时、おゆきは戸田から宿场町の呉服问屋に奉公に上がり、しばらくして主のお手が付き、男の子を産んだ。本家に迹取りがなく、おゆきの子が本家に入ったので、おヒマをもらった。远縁にあたる伞屋に住込みで働いていたが、おゆきに笔の才能があったから、伞屋の主人に重宝されて、伞の絵柄や扇子画を描いて、凧师のようになり、桜川沿いに一轩家を借りて栖んでいた。暮れの忙しい时节に、仕事が立て込んで夜遅くの帰り道、赤桥を渡ろうとしたおゆきは、桥の真ん中に大きな桶が置いてあるのを见て不审に思った。その桶を除けようとして近づいたおゆきは、ぎょっ!となり気を失いかけた。なんと、桶に见えたのは、大きな大きな生きてる青亀だった。动転して崩れ落ちようとしたおゆきを、旦那衆の身形をした若衆が抱かかえてくれた。その若い衆はおゆきを家まで送り届けてくれた。若衆の名を喜助といい、呉服问屋菱屋の迹取りで、おゆきが産んだ子だった。それ以来、喜助はおゆきに热を上げ、いろいろ调べまわったが、まさか、おゆきが実の産みの母だとまでは知らなかった。日毎におゆきへの想いが募り、手练手管を使っておゆきを口説こうとした。おゆきは自分に言い寄る若い男がどこの谁だと、すぐに解って、わが子への懐かしさと爱しさであまり无碍にできないし、今更私が産みの母とも言えないでいた。しばらくたった夜半、通り道沿いの、间眠(まどろみ)神社の境内に伫む喜助の肩に雪が积もっている。ずっと、おゆきの帰りを待ち伏せしていた。ようやく、カラコロと下駄足が闻こえて、番伞を指したおゆきの姿が境内の横に来た。『あら、まぁ、喜助さん、どうなさったの?』おゆきは喜助に伞を差しかけ、肩に积もった雪を払おうとして腕を伸ばした。っと、喜助はおゆきの体を両手で力いっぱい、かき抱いた。『おゆきッ…おゆきッ…おゆきッ…』 若い喜助は、ただもう、爱しいおゆきの名を呼ぶだけだ。おゆきは大柄な喜助の胸の中に抱えられ、ただじっと俯いていた…奇迹はまどろむ
05:37
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风の回廊>水の记忆>夏、奇迹は时を遡る…14
夏、奇迹は时を遡る… 孝明と博之兄弟は品川駅のホームで落ち合うと、终电に飞び乗り実家のある駅のホームへ下り立った。この町の住宅街で吃茶店(吃茶ガロ)をやっていた父が二年前亡くなり、一人住まいの母は、気が向いた时だけ店を开けている。イブ、改札口を出ると、タクシー待ちの人の长い行列が出来ていた。(どうする?兄さん、歩いて行く?)二人は、みぞれが粉雪に変わった町并みを、急ぎ足で家に向かう。(间に合うかな…?)大柄な二人の兄弟は、次第に速足になる。今は営业を止めた銭汤の角を曲がると、そこだけ外灯に照らされた曲がり角が见えた。その灯りに、銭汤帰りだと判る初老の男性が歩みいる。二人が立ち止まると、その男性はゆっくりと、こっちを振り向いた。(ァ!? 父さんっ!?)兄弟は同时に声の无い叫び声を上げる。振り向いた男性が幽かに微笑んだ。そして外灯の向こうの闇に消えると、粉雪が空に向かって舞い上がる。兄弟は父の后姿を追ってダッシュしていた…イブ、奇迹は时を遡る http://www.nig.ac.jp/others/life/osusume/coffee.html
05:32
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风の回廊>水の记忆>夏、奇迹は水に栖む…13
夏、奇迹は水に栖む… むかし、平井から丹那を通り、热海へ野菜を売りに歩く若い母とその息子がいた。二人は谷下(ヤシタ)の大きな石のところで いつも休憩をした。ある真夏日、行商の帰りに大石のそばで休んでると、汗はもう引いたはずの息子が、はぁはぁと、苦しそうに息をするので、(どうしたの?)と母が寻ねると、(よくわからないけど胸が苦しい…)と言う。母は息子の胸に风を入れてやろうとして、襟を広げてやった。息子の胸の汗を、手拭で拭いてやってた母の目に、息子の股间が突っ张っているのが见えた。(こっちへおいで…)息子の手を引いて岩阴に连れてくると、母は胸を広げ息子に乳房を吸わせる。梦中で乳に吸い付く息子の股间に手を伸ばすと、母は怒张に手を添えてあげる。産まれて初めて咲かせた息子の白い花が、大きな弧を描いて、沢の下の方へ飞んでいった。それから母と息子は行商の帰り、きまって大石の阴で、互いの体をなぐさめ合うようになった。しばらくして优しい母が病で亡くなった。取り残された息子は、毎日毎日大石に来て、母を呼んだ。するとこだまが母の返事に闻こえてきた。それから、この大石を「谷下のこだま石」と呼ぶようになった (高さ5m、幅2m. 反対侧から叫ぶとこだまするト)。 あんまり长く声を张り上げ、母を呼んだ息子が、喉が渇いたので沢下を下りて川の水を饮んでた时、目の前を见たことも无い大きな岩鱼がゆったりと沢を升っていく。息子はその大岩鱼が母の化身だと确信した。素っ裸になった息子は、その岩鱼に付いて行って山に入り、二度と村には帰らなかった…夏、奇迹は水に栖む…
05:31
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风の回廊>水の记忆>奇迹は踌躇を缲り返す…12
奇迹は踌躇を缲り返す… 小诸の原田牧场を佐代子は一人で切り盛りしている。夫は町の役职に忙杀されてあてにならない。酪农の研修生を何人も受け入れてるから、その世话も佐代子の仕事で、皆が寝静まった夜になって、やっと风吕に入る。风吕から出て阶段の下を通ると、ふっと二阶の娘の部屋へ入ってみる気になった。昨夜遅く、一人娘の圣子が、『初恋の人に逢いに行く』と言い残して出かけた。なぜあと时、私の昔の古いブールを履いて出挂けたのだろうか?圣子の部屋の窓を开け、町の明かりを眼下に见下ろすと、冬の星空なのに粉雪が舞ってくる。(冷えてきたわ…)佐代子が窓を闭めようとした时、下から微かに、懐かしい草笛の音が响いてきた。(まさか!そんなっ、まさか!)空耳かと疑った。しかし确かに草笛の音は闇から涌いてくる。瞬时に佐代子は草笛の意味を理解した。(娘の圣子が私の助けを待ってる!)…
横浜大桟桥、幸子は幼な友达の千寻を见送るためにバイカル号に向かって手を振っている。千寻は教会の神父の绍介だというスエーデンの男性と结婚するため、たった一人で船に乗り込んだ。见送りも幸子ひとりだ。(なぜシベリア鉄道?)(だって、お金、无いから)(あれ?そのブーツ、佐代子と同じの?)(そうよ。よくおぼえてるじゃん)そんな亲友が爱しくて、幸子は必死に涙を堪える。千寻の姿が见えない船に向かって、いつまでも手を振る。突然っ、舰のドラが大音响で幸子の鼓膜を破った。低血圧症の幸子はその场に崩れ落ちそうになる。意识を失いかけ、天を见上げた幸子の目に粉雪が舞ってくる。『だめよ!だめよ!来ないで…』ドラの残响が女性の声に変わり、朦胧となった自分の体が、大柄な二人の男性に抱えられるのを微かに记忆に残した…イブ、奇迹は踌躇を缲り返す
05:29
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风の回廊>水の记忆>奇迹は风の谷を过ぎる…11
奇迹は风の谷を过ぎる… 下田に嫁いだはなは元気な男の子を産んだ。黒潮の矶で育った子はすばらしく大きくなった。ある朝、若者は长い黒髪を风に靡かせて、大股で海に向かって歩み入り、二度と帰らない。若者の死を悼み、村中が三日三晩泣き哀しんだ。しばらくして、はなは可爱い女の子を産んだ。その子が一歳になった早春の夜明け前、峠を越え嫁いだ时に着ていた絣の着物姿のはなは、一人で岬に伫んでいる。早咲きの黄水仙が、峠の一面を覆っている。そして、日の出の冲风に诱われるように、はなは海に身を投げた。
一人の老人が海を観ている。ずっとずっと昔から、毎日毎日、ただ浜に座って潮目を见てるのが、老人の人生そのものだ。はなが矶から身を投げた风景も黙って见ていた。老人が重い口を开いて语る。はなが波间に身を沉める间も、ずっとずっと、二羽の黄色い蝶々が、はなの身の周りにまとわり付くように舞っていた、と。老人の言叶に耳を贷す村人は、谁一人いなかった。その后も老人は海を见ながら、ひとりつぶやきつづけた。波间に舞う二羽の蝶のことを。老人が亡くなると、矶に寄せる波々が、老人の変りとなり、同じつぶやきを毎日毎日缲り返した。やがて、黄色い蝶の话は、村の子守呗になり、风に乗って峠を越え、こだま石の侧を渡り、富士を越えた…风の回廊…奇迹は风の谷を渡る
05:20
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