原色

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减法混色 から転送)
赤・緑・青の蛍光物质の発光スペクトル。カラーブラウン管の「加色法三原色」(additive primary colors)に使われているもの
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原色(げんしょく、primary colors)とは、混色することであらゆる种类のを生み出せる、互いに独立な色の组み合わせのこと。互いに独立な色とは、たとえば原色が三つの场合、二つを混ぜても残る三つ目の色を作ることができないという意味である。

人类のにおいては、原色は三つの色の组み合わせであることが多い。たとえばテレビモニターや照明などで、异なる色の光を重ねて新たな色を作る「加法混色」の三原色は、通常の三色である。また、絵具を混ぜたりカラー印刷で色インクを并置するときに行われる「减法混色」の场合の三原色は、シアンマゼンタイエローの三色である[1]

原色とされる色の选択は基本的には恣意的なものである。加法混色の三原色に使う赤・緑・青も多様であり、表现のしやすさなどを考えに入れてさまざまな基准が定められている。またたとえば、リュミエール兄弟が开発した初期のカラー写真・オートクローム(Autochrome Lumière)では、赤・緑・青のほかにの组み合わせも使われた[2]

目次

[编集] 生物学的な基础

原色は电磁波の本质的な要素ではない。原色は、生物の可视光线に対して起こす生理学的反応と结び付けられている。レーザー光のような単色光は别として、天然光や照明などの光は、あらゆる波长の放射エネルギーが合成されており连続的なスペクトルを持つ。その刺激値空间は无限次元にわたるが、人间の目はこれを次のような受容の仕方によって三次元の情报として処理している[3]

人间の目の奥の网膜には一面に光受容细胞(锥体细胞杆体细胞)があるが、光量が充分な场合は三种类からなる锥体细胞が反応する。锥体细胞には、长波长に反応する赤锥体、中波长に反応する緑锥体、短波长に反応する青锥体の三种类があり、それぞれの波长に最も反応するタンパク质(オプシンタンパク质)を含む。これらが可视光线を感受することで信号が视神経を経由して大脳の视覚连合野に入り、ここで赤・緑・青の三种类の锥体からの情报の相対比や位置を分析し、色を认识している。

人间など、三种类の色覚受容体をもつ生物の色覚は「三色型色覚」(trichromacy)とよばれる。これらの种の生物は、光刺激を三种类の锥体で受けとめ三次元の感覚情报として処理し、あらゆる光の色を三つの原色の混合比として捉える[3]

色覚受容体の种类の数が违う生物は、异なる数の原色によって色を感じている。たとえば四色型色覚(tetrachromacy)を持つ生物には四种类の色覚受容体があり、四原色の组み合わせで色を认识している。人间は波长800ナノメートル(赤)から400ナノメートル(紫)の范囲までしか见ることができないが、四色型色覚の生物は波长300ナノメートルの紫外线まで见ることができ、四番目の原色はこの短波长の范囲にあると考えられる。

鸟类有袋类の多くは四色型色覚を持つが、人间でも女性の中には四色型色覚を持つ人もいる[4][5][6]X染色体にある赤锥体と緑锥体の遗伝子は时として変异により赤・緑のハイブリッドの锥体细胞を作ってしまい色覚障害を起こすことがあるが、女性の场合はX染色体が2つあるため、1つのX染色体でこのような変异が起こってももう一方で正常な赤锥体と緑锥体が作られれば、赤・緑・青のほかに长波长の范囲にもうひとつの原色を认识することになる[7]。人间の色覚受容体が反応する波长は个々人においても多様であり、色覚の「正常」な人の间でも微妙な色覚の差として现れる[8]。人间以外の生物の场合、こうした多様性の幅は大きいが个々の生物はそれに适合していると考えられる[9]霊长类以外の哺乳类のほとんどは緑と青の二种类の色覚受容体しか持たないため二色型色覚(dichromacy)であり、原色は二色しかない。

大多数の人间のもつ三色型色覚以外の生物の见る世界は色が狂って见える、と考えるのは误りと言える。そのように生まれた生物にとってはそれが普通な世界の色であり、そうした生物が色を知覚する能力は人间の色覚の能力とは种类が违うであろう。また人间にとって自然な色に见えるものは、他の生物たちにとっても自然に见える。しかし三原色の光を使って人工的に再现した色(たとえばカラーテレビの画面)を见る场合、人间にとっては自然な色に见えても他の生物にとっては自然な色には见えない。つまり、原色を使って色を再现するときには、再现する者の色覚のシステムに依存した再现がなされる。

[编集] 加法混色

RGBも参照

加法混色
色度図上のsRGBカラートライアングル。パソコンのディスプレイで正确に表示されるのはこの三角形の范囲内

色を表现する媒体のうち、様々な色の発光体を组み合わせて観る者の方へ放つことで色刺激を起こすものは、加法混色を使用して色を作っている。この场合、典型的に使われる原色は赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の三色である。

白色の光を合成する为の波长を「光の三原色」や「色光の三原色」と言い、下记の三色を用いる。

  • (橙赤)(波长: 625-740 nm
  • (波长: 500-565 nm)
  • (紫青)(波长: 450-485 nm)

テレビほかディスプレイ类はこの三原色からなる「RGB」を用いて様々な色を加法混色で作る代表的な例である。原色として用いられる三色は、幅広い色を表现するために色度図上で可能な限り大きなカラートライアングルを描ける色相・纯度の色であり、蛍光体や磷光体の手に入りやすさ(またはコストや使用电力など)も加味して选ばれている。ITU-Rの勧告BT.709-2(ITU-R BT.709-2)で定められたsRGBはその例である。

CIEが1931年に定めたRGBカラートライアングル

赤と緑の光を重ねて投影すると黄色橙色茶色の影ができる[10]。緑と青の光を重ねるとシアンの影が、赤と青の光を重ねるとマゼンタの影ができた。三つの原色を等しい割合で重ねると、灰色および白色の影ができた。こうして生成される色空间を、RGB色空间という。

国际照明委员会(CIE)が1931年に定めたCIE标准表色系(CIE 1931 color space)は、単色の原色の定义に当たりその波长を435.8ナノメートル(青)、546.1ナノメートル(緑)、700ナノメートル(赤)とした。カラー・トライアングルの各顶点(三原色)は、色度図に描かれた马蹄形の曲线上(最も彩度の高い「スペクトル色」の轨迹)に置かれ、可能な限りの大きさ(色の幅の広さ)を実现している。しかしこのトライアングルにある赤と紫の限界の波长を现行のディスプレイで表现するには発光効率が非常に低くなるため、この三原色を実际に使うディスプレイ类はない。

[编集] 减法混色

色を表现する媒体のうち、色や光を反射して観る者に色刺激を起こすものは、减法混色を使用して色を作っている。

物体の表面を特定のにする为にインク等を涂る场合、元の光を遮る形で色を作る。その合成の元になる基本色は一般に「色の三原色」や「色料の三原色」と言われ、下记の三色を用いる。

この三色を合成して着色された物体の表面は、光の三原色の场合と反対に黒色になる。

[编集] 伝统的な减法混色

かつて使われていた、标准的なRYB色相环。赤・黄・青を等间距に置き、二次色である紫・橙・緑を等间距に置いていた
RGB色相环。赤・緑・青を等间距に、二次色のマゼンタ・イエロー・シアンを等间距に置く

RYB(赤、黄、青)はかつての减法混色における三原色(色の三原色)であり、近代の科学的な色彩理论に先立つものである。美术および美术教育において使われ、特に絵画では盛んに使われた[11]

RYBは标准的な色相环の中で正三角形をなす。またこの三原色を混ぜ合わせてできる二次色(VOG:紫、オレンジ、緑)がもう一つの三角形をなす。特定の色相环の中で等距离にある三色が「色の三角形」をなすが、知覚的に均等に配された色相环の中ではRYBもVOGも等距离にはならない。RYB色相环においては、これらが等距离になるように色相环が作られていた[12]ゲーテの色彩论も参照)。

画家たちは长年、パレットの上に三つ以上の「原色」の絵具を置いて色を混ぜていた。たとえば赤、黄、青、そして緑が「四つの原色」とされた[13]。この四色は现在でも心理的な原色として认知されている[14][15]が、赤、黄、青が三つの心理的な原色として挙げられ[16]、白と黒が第四・第五の原色に加えられることもある[17]

17世纪后半にアイザック・ニュートンプリズムにより太阳光を分光させてスペクトルを取り出す実験を行ったが、18世纪の色彩理论の専门家たちはこれを意识して赤・黄・青を三原色と考えた。これらは基本的な感覚の性质と推定され、すべての物理的な色についての感覚や、顔料や染料の物理的な混合の中には、この三色が混ざっていると考えられた。しかし、赤・黄・青の三色の混合では他のすべての色を作ることはできないという多くの反证があったにもかかわらずこの理论はドグマと化し、今日にまでこの考えは残っている[18]

赤・黄・青の三色を原色として使った场合の色域は比较的小さなものとなり、なかでも鲜やかな緑・シアン・マゼンタを作ることが困难という问题があった。これは知覚的に均等に配された色相环においては赤・黄・青は间距が偏っていることが原因であった。こうしたことから、今日の三色印刷・四色印刷やカラー写真ではシアン・マゼンタ・イエローが色の三原色として使用される[19]

絵画においては色の合成方法が印刷とは异なる为、CMYKが普及した现在でも、多くの画家はシアン、マゼンタ、イエローの絵具の混合によって作れない色を呈する絵具をパレットに加える。シアン・マゼンタ・イエローが色の三原色として推奨されることもある。ある者はパレットに置く三原色に、印刷业者の使うより幅広い色の作れるシアン・マゼンタ・イエローを置き、またある者は色域を広げるために六つ以上の絵具を原色として使用している[20]

[编集] CMYK、あるいは四色印刷

详细はCMYKを参照

印刷産业では、様々な色を表现するために减法混色の原色であるシアン、マゼンタ、黄色の三色が用いられる。「シアン」や「マゼンタ」という色名が标准的に使われる以前は、印刷の三原色は「青緑」や「紫」、あるいは「青」や「赤」などとも呼ばれていた。正确な三原色は长年の间に、新たな顔料や技术の开発とともに何度も変えられている[21]

减法混色。原色のうち、マゼンタとシアンはそれぞれ紫と青緑、または青と赤とも呼ばれることもある

イエローとシアンを混ぜると緑が、イエローとマゼンタを混ぜると赤が、マゼンタとシアンを混ぜると青が生まれる。理论上は三色すべてを均等に混ぜると灰色になり、三色に充分な光学浓度(光学密度、optical density)があれば黒が生まれるはずである。実际には、暗色になりきれいな黒は作れない。美しい黒を印刷するため、また三原色のインキを节约し消费量と干燥时间を减らすため、この三色に加えてのインキがカラー印刷に使われる。

これはCMYKモデルとよばれるもので、シアン(cyan)、マゼンタ(magenta)、イエロー(yellow)、キー(key)の略语である。キーとは印刷する画像の细部(轮郭や浓淡)を表现するために用いられるキープレートという版の略称で、通常は黒インキが使われる[22]

実际には、絵具など実际の物质からできた着色料を混ぜることはより复雑な色の反応を起こす。三原色の顔料を混ぜるより、天然の色からできた中间色の顔料を使うほうがより明るく彩度の高い色が得られる。また顔料の持つ天然の性质も混色の过程に干渉する。たとえば黄と青(紫青)の涂料やインクなどの着色材を混ぜると、暗い緑ないし暗いマゼンタができる。これは実际の混色が理想的な减法混色と异なることを意味している。印刷の场合は、三原色の顔料は実际にはあまり混ぜられることなく、网点(ハーフトーン)の状态で印刷され、一定のパターンで配置された各色の微小の网点を见ることにより、混ぜられた色が知覚されることになる。

减法混色では、白色顔料を加えることで一定の効果を挙げられる。着色材の顕色材の量を减らすか二酸化チタンなど反射度の高い白色顔料混ぜることでを着色材の色相をあまり変えずに彩度を下げることができる。また减法混色印刷は、印刷面や纸面の色が白かまたはそれに近い场合、もっとも効果を発挥する。

减法混色のシステムは、RGBのカラートライアングルのように、色度図上で色域を简単にあらわす方法はなく、色域は三次元のモデルで表现する必要がある。また二次元の色度図や三次元の色空间でCMYKの色域を表现する试みは非常に多くある[23]

実际の印刷では、CMYKに加えて蛍光色などの特色インクを用いて色彩表现の幅を広げる事が良く行われる。またパソコン用のカラープリンタでは、以前は低価格机ではコストダウンのためにCMYのみのモデルも存在したが、现在ではCMYKにやはり中间色のインクを加えて色再现性を高めるのが主流となっている。

[编集] 四つの「ユニークな」色

NCSにおける6色。赤、黄、緑、青の四色に加え、全称的な色の表现のために白と黒も追加される

心理视覚の研究および反対色説、反対色过程色説は、赤 - 緑过程と、黄 - 青过程による轴に起因する四つの「ユニークな」色の概念を导く[24]

右には、ナチュラル・カラー・システム(NCS)の6色を掲げたが、NCSは顕色系であり、NCSの赤、緑、青は、混色系における原色とは异なる。

[编集] 関连项目

[编集] 脚注

  1. ^ Matthew Luckiesh (1915). Color and Its Applications. D. Van Nostrand company, pp. 58, 221. 
  2. ^ Walter Hines Page and Arthur Wilson Page (1908). The World's Work: Volume XV: A History of Our Time. Doubleday, Page & Company. 
  3. ^ a b Michael I. Sobel (1989). Light. University of Chicago Press, 52﹣62. ISBN 0226767515. 
  4. ^ Backhaus, Kliegl & Werner "Color vision, perspectives from different disciplines" (De Gruyter, 1998), pp.115-116, section 5.5.
  5. ^ Pr. Mollon (Cambridge university), Pr. Jordan (Newcastle university) "Study of women heterozygote for colour difficiency" (Vision Research, 1993)
  6. ^ http://www.radiumsoftware.com/0704.html ふたつのみどり
  7. ^ M. Neitz, T. W. Kraft, and J. Neitz (1998). “Expression of L cone pigment gene subtypes in females”. Vision Research 38: 3221﹣3225.
  8. ^ Neitz, Jay & Jacobs, Gerald H. (1986). "Polymorphism of the long-wavelength cone in normal human colour vision." Nature. 323, 623-625.
  9. ^ Jacobs, Gerald H. (1996). "Primate photopigments and primate color vision." PNAS. 93 (2), 577﹣581.
  10. ^ "Some Experiments on Color", Nature 111, 1871, in John William Strutt (Lord Rayleigh) (1899). Scientific Papers. University Press. 
  11. ^ Tom Fraser and Adam Banks (2004). Designer’s Color Manual: The Complete Guide to Color Theory and Application. Chronicle Books. ISBN 081184210X. 
  12. ^ Stephen Quiller (2002). Color Choices. Watson﹣Guptill. ISBN 0823006972. 
  13. ^ レオナルド・ダ・ビンチは1500年ごろ、赤・黄・青・緑という四つの単纯な色について手稿に书いている。See Rolf Kuenhi. “Development of the Idea of Simple Colors in the 16th and Early 17th Centuries”. Color Research and Application. Volume 32, Number 2, April 2007.
  14. ^ Resultby Leslie D. Stroebel, Ira B. Current (2000). Basic Photographic Materials and Processes. Focal Press. ISBN 0240803450. 
  15. ^ 光の强さ弱さ(辉度)を変えた场合には色相も変化するが(ベツォルト=ブリュッケ现象)、赤、黄、青、緑付近の波长では色相はほとんど変化しない。
  16. ^ MS Sharon Ross , Elise Kinkead (2004). Decorative Painting & Faux Finishes. Creative Homeowner. ISBN 1580111793. 
  17. ^ Swirnoff, Lois (2003). Dimensional Color. W. W. Norton & Company. ISBN 0393731022. 
  18. ^ Bruce MacEvoy. “Do ‘Primary’ Colors Exist?” (Material Trichromacy section). Handprint. Accessed 10 August 2007.
  19. ^ “Development of the Idea of Simple Colors in the 16th and Early 17th Centuries”. Color Research and Application. Volume 32, Number 2, April 2007.
  20. ^ Bruce MacEvoy. “Secondary Palette.” Handprint. Accessed 14 August 2007. For general discussion see Bruce MacEvoy. “Mixing With a Color Wheel” (Saturation Costs section). Handprint. Accessed 14 August 2007.
  21. ^ Ervin Sidney Ferry (1921). General Physics and Its Application to Industry and Everyday Life. John Wiley & Sons. 
  22. ^ Frank S. Henry (1917). Printing for School and Shop: A Textbook for Printers' Apprentices, Continuation Classes, and for General use in Schools. John Wiley & Sons. 
  23. ^ たとえば、googleで“cmyk gamut”(CMYK、色域)で画像検索をした结果を参照のこと。
  24. ^ E. Bruce Goldstein (1989). Sensation and Perception, 3rd ed.. ISBN 0534096727. 

[编集] 外部リンク